ごあいさつ

 第23回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会会長を務めさせていただきます 南 由起子でございます。
 学術集会のテーマは、「在宅から病院へ 病院から在宅へ WOC領域のシームレスケアの構築」と致しました。急速に超高齢社会に向け進んでおります我が国では、団塊の世代の人々が後期高齢者となる2020年代に向け「2025年問題」と称して様々な対策に取り組んでいる状況です。特に不足することが予測される入院医療施設、急性期医療の現場では早期に患者を回復に導き、かつ入院患者の在宅医療現場への移行が円滑に進むことが求められています。また、そのような状況の中では、病状が安定しないまま在宅にというケースも増加するため、在宅から病院への移行もタイムリーかつ円滑に行えるような体制づくりが必要になってきます。
 本学術集会のテーマの中のシームレスケアとは、途切れることなく必要なケアが提供できることを示しております。WOC(創傷・オストミー・失禁)領域のケアが在宅でも病院でも途切れることなく、対象者(患者および家族や介護者など)の状況に即した内容で継続されることについて検討する学術集会にしたいと思っております。
 病院では、チーム医療がシステムとして整いつつあるところも多く、WOC領域における成果も示されています。しかし、病院以外でのチーム医療の推進に関しては、各地域での取り組みが報告されていますが、システムとして確立するには至っておらず関係する人々の熱い思いの中で成り立っているように思われます。そういった取り組みの多くを学術集会でご発表いただき、参加される皆様に「在宅など地域において展開される医療についてできることを考える」機会にしていただき、必要なシステムの構築に結び付くことを願っております。
 その多くが医療施設に所属する学会員や参加者の皆様に、地域で展開されている医療について、より興味を抱いていただき、自分たちができることは何か、新しいアイディアが出てくることを期待しています。例年通り、WOC領域の様々な取り組みや症例報告などの演題も募集しておりますので奮ってご応募くださいますようお願い致します。
 非力な私にこのような機会を与えてくださいました学会員の皆様にご迷惑をかけないよう、また参加された皆様の思い出に残る学術集会となりますよう準備を整える所存です。
 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
第23回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 会長
サンシティ銀座EAST
南 由起子
写真:南 由起子 会長
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